大学受験で出題される物理の分野には、「力学」「熱力学」「波動」「電磁気」大学によっては「原子物理」と分かれていますが、このうち最も頻繁に出題されるのは、当然ながら「力学」です。
なぜ当然かというと、力学は物理の基礎であり、力学を土台に他の分野が成り立っているからです。
例えば熱力学では、気体粒子がニュートン力学に従って運動することを前提に、巨視的に(粒子の集団として)捉えて状態方程式などで性質を表しています。
波動においても、学校の授業の始めでは、バネやそれにつながった物体の運動として説明されたのではないでしょうか。
ニュートン力学(古典力学)はすでに完成されており、それを理解しないと他の分野も理解出来ないために、受験において力学が重要視されるわけです。
ちなみに現在では、ミクロな視点で見るとニュートン力学が厳密には成り立たないことがわかっており、これにかわる量子力学という新たな力学が用いられています。こちらの量子力学はまだ未完成で、最近その根本となる原理が修正されるなどして話題になったりもしました。(http://www.nikkei-science.com/?p=16686)
しかし依然として、私たちの目に見える物体の運動はニュートン力学により十分記述できるので、いずれも重要な学問です。
さて、大学受験での力学の話に戻りますが、力学の問題を見た時に最初にすることは、
物体にはたらく力をすべて書き込み、運動方程式を立てることです。
例外として衝突の問題では、はたらく力が瞬間的なので、代わりに運動量保存則など使い衝突前後の変化を考えますが、
単振動、円運動などそれ以外の運動ではすべて運動方程式を立てられるはずです。
なぜなら先ほど述べたように、高校物理では
すべての物体はニュートン力学に従うからです。
物理に慣れてくるといきなり運動量保存則やエネルギー保存則を使い、さっさと答えだけ出してしまうのですが、
慣れていないうちは必ず運動方程式を立てることをお勧めします。
運動方程式を立てられないと運動の本質が把握できず(等加速度なのか等速度なのか、それとも単振動なのか)、保存則にしても誤った式を立ててしまうことがあります。
とにかくはたらく力を図に書きこむ作業は必ずして欲しいのですが、その際意識することとしては、
重力と電磁気力以外は、触れている物体からしか力がはたらかないことです。
当たり前に思われますが、結構このことが抜けていて、混乱してしまう人がいます。
例えば下図のように、質量m[kg]の物体Bを質量M[kg]の物体Aに乗せて、AをF[N]の力で引くと考えます。

AとBの間には摩擦があり、Aと床の間に摩擦はないとします。
このとき重力はAとBの両方にはたらき、Bには触れているAのみから力がはたらきます。
AからBにはたらく力は、垂直方向の
抗力N と、水平にはたらく
摩擦力fです。
AにはFの他には、触れているBと床から力がはたらきます。
Bからは、
抗力N と、
摩擦力fの反作用がはたらき、
床からは
垂直抗力nがはたらきます。
なので力をすべて書き込むと下図のようになります。

これをもとにA,Bの水平、鉛直方向それぞれの運動方程式を立てると、
A : (水平)Mαxa =F - f
(鉛直)0 = n - Mg - N
B : (水平)mαxb =f
(鉛直)0 = N - mg(A,Bの水平右方向の加速度を
αxa,αxbとする)
となります。これがあればBがAの上を滑るときと滑らないとき、両方の場合に対応できます。
(滑らないときは
αxa=αxbとなる)
結局、物体にはたらく力を考えるときは、
・まず重力と電磁気を考えて、次に
・触れている物体からはたらく力を一つずつ考えるという作業をすれば良いことがわかります。
これは基本的なことなのですが、慣れていない人では、意外とうまく書けないことがあります。
力学がいまいち伸びないという人は、一度このことに立ち返ってみてはどうでしょうか。
力を一つずつ丁寧に考えるようにすると、力学の感覚が磨かれ、「だいたいこういう運動をするんだな」というカンがはたらくようになります。それにより問題の解き方の筋道が立てやすくなります。
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